カムダウン・マシン

Apple musicに加入してから、自分の知らない曲をいろいろ漁るようになった。
Apple musicが独自に作ったプレイリストが時折おすすめ欄に出てくるので、大体そこからお気に入りの曲を見つけている。

ある時、インディーズヒットだったかそんな名前のプレイリストが目に付いた。
一通り聴いてみて、中でも印象に残ったのがThe Strokesの『Comedown Machine』に収録されている「Slow Animals」だった。明るい曲調なのに少し気だるげで低体温な感じが、聴いていて心地よい。
気に入った曲は自分用のプレイリストに入れることにしているので、「Slow Animals」も同じくプレイリスト入りした。



ストロークスを知ったのはもう1ヶ月前の話だ。何気なく聴いて気に入ったアーティストだと思っていたが、実は自分はストロークスと『Comedown Machine』を1度目にしている。それに気がついたのはついさっきのことだった。

中学の頃買い漁っていた音楽雑誌のスクラップを集めたファイルがある。主としてMUSECAやRock'in on JAPANの切り抜きを入れているのだが、その中に、今後参考にするかもと保存していたMUSECAのレビューページがある。邦楽洋楽それぞれの新譜を数人のライターが評論するコーナーだ。

先程、ふと片っ端からいろんな音楽を聴いてみたくなった。スクラップを引っ張り出して何か良さげなアルバムが無いかと見ていたその時、目に飛び込んできた真っ赤なアートワークを見て自分は驚きで固まってしまった。

ストロークスの『Comedown Machine』のレビューがそこにあった。

残っているスクラップは2014年ごろの刊なので、この『Comedown Machine』のレビューとは実に5年越しの再会ということになる。まさかこんなところで目にするとは思わなくて、1人で嬉しくなった。
5年前の自分に伝えてやりたい。
こんな偶然もあるものなのだな、としみじみしながら、「Slow Animals」を聴いた。