リバイバル上映が嬉しい
先日『マトリックス』の20周年記念上映を観にいき、今日は『トミー』の(原作のアルバムの)50周年記念上映を観に行った。
どちらも大好きな作品だったから映画館の大きな画面で、いい音で観れて良かった。特にマトリックスはドルビーシネマとかいう最先端技術での放映でとにかく音がすごい。ちゃんと人物の口から音が出ていて、本当に目の前で人が喋っているみたいだった。
自分は映画に関しては劇伴のことばっかり考えているので、それはもう一番いい音が出る上映システムで見たい。マトリックスもサントラを聴き倒しているくらい好きだ。ドルビーシネマシステムを通して流れてくるドラムンベースの重厚な感じ、たまらん!
マトリックスもトミーも節目の年にリバイバル上映が企画されたわけだが、私もちょうど20歳なので、なんというか自分と自分の好きなコンテンツが共に歩んでいる感じがして勝手に嬉しい気分になる。といっても、自分がもう20年も生きている実感は全然ないし、トミーが発売されてから50年も経っていることは逆に怖い。時間の感覚はかなりフワフワしている。
『トミー』は今回で2回目くらいの鑑賞になる。
好きなシーンはYouTubeのシーン集みたいな動画で幾度となく見ているが、フルで観るのは高校時代にDVDをレンタルして以来だ。
やっぱり映画館で見た方がいい。
画面がデカいから没入感があるし、音楽も良く聴こえる。
2回目だから気づいたことも。
トミーが経験したことが、鏡に映る彼の分身となって現れることとか(積み上げた経験が糧となってトミーの新しい人格を構成するようになる)、トミーの父親とサリーの頬の傷が似ているところとか、父親役の俳優が同じ監督の作品『マーラー』の主役であったりとか。(マーラーもちゃんと見たいんだけどレンタルがない。)
トミーの父親といえば、アシッドクイーンのシーンで、トミーの笑顔と父親の笑顔が重なるところがかなり好き。どちらの笑顔も、快楽に浸るような力の抜けた笑みで、少しゾッとする。父親役の人は普通に俳優なのでまだ分かるとして、トミーを演じたロジャーダルトリーは演技初挑戦なので、あんな表情を監督はどうやって引き出したんだと不思議だ。ロジャー自身のポテンシャルの高さがなせる技なのか…。
あと大画面で観れて満足だったのはロジャーのニッコニコ顔とフーのメンバー。
ロジャーは顔がいいし笑ったら可愛いので笑顔が映える。ラストの方は素のロジャーぽくて無邪気に笑っているのが良かった。心を閉ざしているときは終始瞳孔が開いていてめちゃくちゃ怖いのだけど。
バンドとしてフーが映るシーンはクラプトンの集会シーンと、ピンボールの魔術師のシーンぐらいだったように思うが(このシーンぐらいしか印象にない)、みんないつも通りで面白い。やたら暴れるキース、目立ちたがるピート、微動だにしないジョン。
それぞれが個性的すぎて笑いそうになった。
どちらの映画も短い期間での上映がとても惜しいとこなのだけど、こんな機会があるだけ恵まれているのだから嬉しいものだ。
世代じゃないから、と少し遠くから見ていたコンテンツが、こうして近いところまで来てくれて感謝しかない。
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